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2010/09/04

あなたのお名前、なんてーの?

道を歩いていたりオートリキシャに相乗りしていたりすると
子供やおじさんからやたらと名前を聞かれる。

ただ興味本位で聞いているだけなんだろうけれど、
「みゆき」という発音が難しいらしく、何度も何度も聞き返される。
「は?何?!もう一回!」と言われるのが少々鬱陶しくなってきてしまった。

「みゆきだよ!」
「む・・・むゆーくー?」
「ノノノノノ!み・ゆ・き!」
「みょーきぃー!」
「だから・・・」

(エンドレス)

よって、今後付き合いが続きそうな人を除き、
ただ名前を聞いてくるだけの輩にはかなりテキトーに答えるようにしている。

「キャー ナーム ハェ?(何ていう名前?)」

「安全ピン」

「ワァー バホット アッチャー(超いい名前だね!)
カハーン セ アーイー?(どこから来たの?)」

「ロシア」

「ワァー バホット アッチャー(超いいね!)」


最近私は
ロシア育ちの安全ピンになったり
タイ育ちの豆電球になったり
韓国育ちに明太子になったり
ブラジル育ちのアルゼンチンになったりと
忙しい毎日を送っている。

苗字を聞かれるとさらにややこしい。
めったに聴かれることはないけれど、
学校で出席をとる際にはフルネームで呼ばれることが多々あり、
先日授業の後で先生にチョイこっち来て、と呼び出された。

「君、苗字の発音は『いちのせ』かね?
『いちのせ』かね?『いちのせ』かね?
『いちのせ』かね?」

「はい?」

「だから、苗字は『いちのせ』かね?
『いちのせ』かね?『いちのせ』かね?
『いちのせ』かね?」

「・・・(この人は大丈夫だろうか・・・。)」


「タ」行がそれぞれ4種類あり、どうやらそれで戸惑っていたようだ。
ここまで突っ込まれたのは初めてだけれど、
発音の練習をした後、後日先生に言った。

「私のファミリーネームは『いちのせ』です!」

正直、いい反応を期待していた。
私の目は『ちゃんと練習してきました先生!』と、
期待に輝いていただろうし、なんというか学級委員長的な
オーラを出していたような気がする。
『私、頑張ってます!』っていう、あんな感じを。
しかし、現実はそうは甘くないようだ。
ティーチャーは一言こう言い放った。

「・・・・・・・・・キャー?(何?)」

ええー。忘れちゃってるよ、この人。
そして忙しそうに去っていった。

先生の背中の汗のしみが揺らいで見えたのは、
涙のせいかどうかは、定かではない。

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